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2020年12月17日
気づかなくても問題ないけど、気づくとちょっとうれしいネタがちょこちょこ仕込まれているのも『ウォーキング・デッド』の楽しいところ。シーズン10前半のこのネタに気がついた?
NIGHT OF THE LIVING DEAD, 1968.
ゾンビ映画の原点となった名作、ジョージ・A・ロメロ監督の『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』(68)へのオマージュが、セリフの中にこっそり登場。第1話「境界線」でユージーンとルークが”宇宙からの放射線”について話すのは、この映画でもゾンビ化の原因は放射線かもしれないと示唆されるから。
そして、もうひとつはイタリアン・ホラーの名匠ルチオ・フルチの『サンゲリア』(79)。英語タイトルが『ZOMBIE(ゾンビ)』だったこの作品のオマージュは第2話「終末の始まり」に。VFXスーパーバイザーのアーロン・マクレーンが、囁く者のベータがウォーカーの目を突き刺す場面は、この映画の同様シーンに触発されたものだと語っている。
Melissa McBride as Carol Peletier, Norman Reedus as Daryl Dixon, Danai Gurira as Michonne – The Walking Dead _ Season 10, Episode 3 – Photo Credit: Jackson Lee Davis/AMC
キャロルが自分の過去と向かい合う第3話「亡霊」では、タイトルどうり、キャロルの過去の亡霊が続々登場して、これまでのシリーズにリンク。彼女が床から拾い上げたDVDの表紙には、キャロルが愛し、そして失った子供たちとの家族写真。そこに写っているのは、ショートカットだった頃のキャロルと、囁く者に殺された義理の息子ヘンリー、ウォーカーになった実娘ソフィア、シーズン4の悲劇の姉妹リジーとミカ、シーズン5&6のアレクサンドリアでキャロルにお菓子をねだり、最後にはウォーカーに殺された、リックの隣家の幼い息子サム。キャロルの辿ってきた悲痛な過去が思わず甦る。
[c]AMC Film Holdings LLC.2019.All Rights Reserved.
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Dahlia Legault as Francine and Michael Cudlitz as Abraham – The Walking Dead _ Season 5, Episode 14 – Photo Credit: Gene Page/AMC
このシーズンの第4話「孤独との戦い」と第7話「蘇る記憶」を監督したのは、エイブラハム役のマイケル・カドリッツ。エイブラハムはシーズン4から登場して、ユージーンをワシントンD.C.に連れて行こうとしていた赤毛の元軍人。彼はシーズン9第7話で監督業に進出しているのだ。出演者としてこのドラマをよく知っているから、演出がしやすいのかもしれない。彼の監督としての腕をチェックしてみよう!
文/平沢薫
2023/07/19
2023/04/26