『ウォーキング・デッド』のスピンオフシリーズ４作の日本上陸が決定。その第１弾『ウォーキング・デッド：ダリル・ディクソン』が10月20日（金）配信スタート！まずはその基本と注目ポイントを徹底予習。シーズン２のニュースもチェックしておこう。

Norman Reedus as Daryl Dixon, Louis Puech Scigliuzzi as Laurent – The Walking Dead: Daryl Dixon _ Season 1 – Photo Credit: Emmanuel Guimier/AMC

この10月12日から15日に開催されたニューヨーク・コミコンで、リックとミショーンのスピンオフの新たな予告編が公開されたが、ダリルが主人公のスピンオフについてもビッグニュース！　なんとダリルが主人公のスピンオフは、シーズン２から、本家シリーズのダリルの親友、キャロルが登場することが発表された。作品タイトルにもサブタイトルが付き、『The Walking Dead: Daryl Dixon – The Book of Carol（原題）』になる。このタイトルは『スター・ウォーズ』のスピンオフ、『ボバ・フェット/The Book of Boba Fett』を連想させたりするが、とにかくシーズン２ではダリルだけでなく、キャロルの大活躍も見られることになった。

と、シーズン２に向けて期待を高めつつ、まずは配信間近のシーズン１の基礎知識を復習しておこう。日本語タイトルは『ウォーキング・デッド：ダリル・ディクソン』。日本では、10月20日（金）00:00からU-NEXTで配信開始、毎週１話ずつ配信になる。

まず、押さえておきたいのは、全米での評判がかなりいいこと。全米では9月10日から本家と同じAMCでの放送が始まって大好評。10月1日全米放送の第４話が、この放送局のオンライン版AMC+の「総視聴率」と「成人25歳～54歳層」で史上最高の視聴率を記録。ニールセンのLIVE+3（放送時視聴と3日後までの視聴）で約110万人の視聴を記録し、業界紙『Vriety』がニュース記事にしたほど。米映画評論サイトRotten Tomatoes でも、評論家81%、ユーザー87%という高い評価を獲得している。

＊『Variety』の記事

https://variety.com/2023/tv/news/walking-dead-daryl-dixon-dead-city-biggest-amc-premiere-ever-1235747465/

次にドラマ面。ストーリーの基本は、本家シリーズの後のダリルの物語だが、ポイントは、舞台がガラっと変わってフランスになること。本家シリーズ最終話で、ダリルは、平和になったコモンウェルスを去って、一人で旅に出るが、その後、予告編ではなぜかフランスにいる。ダリルが、そこから故郷アメリカに戻ろうとするさまを描くのが、このスピンオフだ。

Clémence Poésy as Isabelle, Laïka Blanc-Francard as Sylvie – The Walking Dead: Daryl Dixon _ Season 1 – Photo Credit: Emmanuel Guimier/AMC

さらに、新たな登場人物が続々登場するのも、注目ポイント。しかも、ドラマの舞台も撮影もフランスなので、フランス俳優の出演が多数。以下の主要キャラ３人も、フランス出身だ。まず、ある進歩的な宗教グループの尼僧イザベル役は、『ハリー・ポッター』シリーズのフラー・デラクール役や『TENET テネット』で知られるクレマンス・ポエジー。ダリルを探す集団のリーダー、ジュネ役は、ドラマ『メゾン・クローズ　娼婦の館』、『パリ、カウントダウン』のアンヌ・カリエール。フランスのレジスタンスネットワークに属するコミュニティのリーダー、ファロウ役は、オマール・シー主演の『ベルヴィル・コップ』や『トランスポーター３　アンリミテッド』のエリック・エブアニーが務める。また、フランスでバーを経営する英国人クイン役は、ドラマ『チェルノブイリ』や映画『ガンパウダー・ミルクシェイク』の英国俳優アダム・ナガイティスと、国際色豊かなキャスティングになる。

そして、スタッフ面。基本は変わらず、新たな顔ぶれがプラスされているところがポイント。『ウォーキング・デッド』全体のコンテンツ・オフィサーのスコット・M・ギンプルはもちろん続投。製作総指揮には、本家同様、原作者ロバート・カークマンやVFX出身のグレッグ・ニコテロらが参加。そして新たに、ダリル役のノーマン・リーダスも製作総指揮に加わる。なので、リーダスがこれまで年々にも渡って描いてきた、ダリルの魅力も変わらないはず。

一方、シリーズのクリエイターは新顔で、シリーズ初参加のデヴィッド・ザベル。人気シリーズ『ER 緊急救命室』のシーズン９から15まで製作に参加して、計44話の脚本を担当した経歴の持ち主なので、本作でもハラハラさせつつ感動させるドラマを見せてくれそうだ。

Norman Reedus as Daryl Dixon – The Walking Dead: Daryl Dixon _ Season 1 – Photo Credit: Emmanuel Guimier/AMC

また、ずっとこのシリーズを見てきたファンには、注目したいポイントが一つ。それは、本作と、スピンオフ『ウォーキング・デッド：ワールド・ビヨンド』の最終話のポスト・クレジットシーンとのリンク。あのシーンで判明した、フランスで発生した新種のウォーカーは、今回のドラマとどう関係するのか。それを見落とさないように注意しながら、ダリルのその後を見届けたい。

文／平沢薫