巨大コミュニティ、コモンウェルスの副知事ランス・ホーンズビーは、知事に隠れて何かを計画している?!　シーズン後半の動きが気になるこの人物を演じる俳優ジョシュ・ハミルトンってどんな人？

シーズン11でダリルたちが暮らすことになった、人口５万人の巨大コミュニティ、コモンウェルス。すでに配信済みのエピソードで、この共同体には何かと問題があることが判明。まず、パメラ・ミルトン知事のドラ息子、セバスチャンの勝手な行動が問題だが、それよりも気になるのが、副知事ランス・ホーンズビーの怪しい行動。表向きは知事のために働いているように見えるが、その裏で何かを画策しているような？

Josh Hamilton as Lance Hornsby – The Walking Dead _ Season 11, Episode 15 – Photo Credit: Jace Downs/AMC

そのホーンズビー副知事を演じる俳優、ジョシュ・ハミルトンは、1969年6月9日、ニューヨーク生まれの53歳。父は『アーノルド・シュワルツェネッガーのSF超人ヘラクレス』(70)の俳優で、テレビ『As the World Turns（原題）』(99-20)の監督でもあるダン・ハミルトン。母は『A Good Dissonance Like a Man（原題）』(77)の女優サンドラ・キンズバリーという芸能一家に生まれ、2005年に結婚した妻リリー・ソーンもドキュメンタリー番組のプロデューサーだ。

子供の頃からTVに出演し、アイビー・リーグのブラウン大学で学び、TV、映画、舞台でも活動し、1991年にはニューヨーク在住の俳優仲間たち8人と一緒に劇団マラパート・シアター・カンパニーを設立。この時の仲間には、『ムーンナイト』のイーサン・ホークや『Dr.HOUSE　ドクター・ハウス』のロバート・ショーン・レナード、『ブロークン・アロー』のフランク・ホエーリー、『はじまりへの旅』のスティーヴ・ザーンらがいた。この劇団は残念ながら2000年に解散したが、ハミルトンはその後も舞台でも活動中だ。

EIGHTH GRADE, from left: Elsie Fisher, Josh Hamilton, 2018. ph: Linda Kallerus/© A24/courtesy Everett Collection/AFLO

映画の出演作も多く、『J・エドガー』(11)、『ダークスカイズ』(13)などに出演。近年の作品では映画『エイス・グレード　世界でいちばんクールな私へ』(18)の中学生のヒロインの父親役や、TV『13の理由』(17-19）の高校生の主人公の父親役で、子供の気持ちを理解しようとする誠意ある大人の役を演じている。

そんなハミルトンが演じる『ウォーキング・デッド』のランス・ホーンズビー副知事は、予告編に登場した時から、見るからに信用できないウサン臭い人物。本編でもやっぱりその印象通り、裏で違法なことに手を染めているらしいことが見えてきた。このホーンズビー副知事について、ハミルトン自身は米国での本作の放送局のサイトamc.comのインタビューでこのように分析している。

Josh Hamilton at arrivals for National Board of Review (NBR) Awards Gala, Cipriani 42nd Street, New York, NY January 8, 2019. Photo By: RCF/Everett Collection/AFLO

「ランスは、コモンウェルスのフィクサーのような存在だ。そして、複雑な人物だ。彼の一家は下層階級だったから、支配階級になった今も服装のセンスがズレていて、自動車のセールスマンみたいな格好をしている。きっと彼の父親は、パメラ・ミルトン知事一家の運転手だったんじゃないかな。その縁で、ランスは家族の中で初めて大学に進学させてもらって、ミルトン知事の下で働くようになったんだろう。なので、ミルトン知事に自分の能力を認めてほしいと思っているのも本当なんだが、自分は今よりもっと利益を得てもいいはずだという気持ちも持っている。だから、彼の行動は一筋縄ではいかないんだ」

この分析を踏まえて、今後のホーンズビー副知事の行動を見るのも面白そうだ。そのシーズン11パート３は、この秋に配信されると言われている。配信日の公式発表を待とう。

文/平沢薫