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2022年5月17日
今後の物語のキーパーソンの一人になりそうなのが、コモンウェルスのパメラ・ミルトン知事。ひょっとしたら今シーズンの最大の敵はこの人物なのかも。彼女を演じているライラ・ロビンズってどんな女優?
人口5万人の巨大コミュニティ、コモンウェルスのリーダー、パメラ・ミルトン知事を演じるのは、女優ライラ・ロビンズ。1959年3月ミネソタ州生まれの61歳、映画やドラマの出演数は80作を超えるベテランだ。
そんな彼女は、海外ドラマのファンにはおなじみの顔。近年で印象的だったのは、ジェイムズ・スペイダー主演の人気シリーズ『ブラックリスト』。ロビンズが演じたのは、主人公と組むFBI捜査官リズの母親役。彼女は複雑な過去を持つシーズン6〜8の重要人物で、若い頃は別の女優が演じ、現在の姿をロビンズが演じていた。この役は、彼女に製作側から直接オファーがあり、オーディションなしで決まった役とのこと。よほどイメージがぴったりだったのに違いない。
THE BLACKLIST, from left: James Spader, Laila Robins, Michael Pemberton, ‘Katarina Rostova (#3)’, (Season 8, ep. 802, aired Nov. 20, 2020). photo: Will Hart / ©NBC / Courtesy Everett Collection
また、カール・アーバン主演の異色スーパーヒーロー・ドラマ『ザ・ボーイズ』の、主人公をヒーローたちの実態を暴こうとする組織ザ・ボーイズに勧誘するグレース・マロリー役でも活躍。他にも『ホームランド』『MURDER IN THE FIRST/第1級殺人』などにレギュラー出演している。
映画でも活躍し、代表作にはスティーヴ・マーティン主演のコメディ映画『大災難P.T.A.』(87)、クリント・イーストウッド主演・監督の『トゥルー・クライム』(99)、ヘレン・ミレン主演の戦争映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』(15)などがある。
しかしロビンズの活動の中心は映画やTVではなく、舞台。多数の舞台に出演していて、2000に結婚したロバート・クッチオーリも舞台中心の俳優。2人の出会いは舞台『マクベス』での共演で、その舞台でロビンズはマクベス夫人役、ロバートはマクベス役を演じていたそう。
Laila Robins, Robert Cuccioli at arrivals for American Theatre Wing Annual Gala 2015, The Plaza Hotel, New York, NY September 28, 2015. Photo By: Steven Ferdman/Everett Collection
出演歴を見ると、知的な女性を演じることが多いロビンズだが、実際の彼女も高学歴。アイビーリーグのウィスコンシン大学で学士号を取り、イェール大学のエール・スクール・オブ・ドラマで美術の修士号を取っている。その知性豊かな雰囲気は『ウォーキング・デッド』のパメラ・ミルトン知事の役にも活かされているのに違いない。
Laila Robins as Pamela Milton – The Walking Dead _ Season 11 – Photo Credit: Josh Stringer/AMC
そんなロビンズは、本年2月のstarrymag.comのインタビューで、彼女が演じるパメラ・ミルトンの人物像をこう分析している。「パメラの一族は、ずっと政治界で活躍してきた、いわばアメリカの王族のような一家です。だからパメラ自身は、自分は他の人々のためになることをやっていると思っているんです、それが第三者から見たら見当違いだとしても。彼女はただ、一族の遺産を受け継いでいこうとしているんです。そういう妄想を抱いてしまうことは恐ろしいことですが、彼女のように生きてきた人が、他人に自分の本当の気持ちを打ち明けることができるでしょうか。そもそも、本当の自分自身になれるでしょうか。パメラはそういう人物だと思います」
ロビンズが演じるパメラ・ミルトンは、これから何をするのか。シーズン11の再会が今から楽しみだ。
文/平沢薫
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