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2020年6月5日
いよいよ本日6月5日(金)の『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド(FTWD) シーズン4』のDVD-BOXが発売! その前に、シーズン1からの出演者たちをチェック! まずは「若手俳優編」。何しろこちらは、本家『ウォーキング・デッド』よりも若者が多いのが特徴だ。意外な作品に出演してた俳優も!
Alycia Debnam-Carey as Alicia Clark – Fear the Walking Dead _ Season 4, Episode 2 – Photo Credit: Richard Foreman, Jr/AMC
大きな瞳が愛らしいアリシアは、最初は優等生だが、サバイバル生活の中で次第に強くなり、リーダーシップを発揮するようになるキャラ。この役を演じるのは、名前も同じ、アリシア・デブナム・ケアリー。1993年7月20日生まれの26歳だ。オーストラリアのシドニー出身で、8歳から演技を始め、18歳でハリウッドにやってきた。彼女が俳優になったのは、母親の影響が大。母レオン・キャリーはTVの女優兼脚本家で、アリシアの俳優志望をサポートしてくれたそう。
本作の前に、ルーファス・シーウェル共演の『悪魔の棲む家666』(14)や、リチャード・アーミティッジ共演の『イントゥ・ザ・ストーム』(14)などの映画に出演。TV『The 100/ハンドレッド シーズン2』(14~15)で、12の部族を率いる強く聡明なリーダー、レクサを演じて人気を集めた。このシリーズに出演しつつ、新作映画『Liked(原題)』ではコメディに挑戦するなど、順調にキャリアを進めている。素顔の彼女はというと、高校時代はアリシア同様にクラスの優等生。6つの科目でクラスの上位10%に入る成績を収めたとのこと。去年の雑誌「MissFQ」のインタビューでは、自分とアリシアを比較している。
「私はこの頃のアリシアみたいな殺人マシンじゃない。実際の私は正反対。春になると私は”わあ、この花を髪に飾ってもいい?”と思うけど、アリシアならいつも”気を引き締めて、さあこの武器を持つのよ”と思うでしょ。でも私は”武器なんて欲しくない、丘で転がりたいのよ”と思う。私が似ているのは、シーズン1のアリシア、フツーのアリシアよ!」
Frank Dillane as Nick Clark, Kim Dickens as Madison Clark, Danay Garcia as Luciana – Fear the Walking Dead _ Season 4, Episode 2 – Photo Credit: Richard Foreman, Jr/AMC
メキシコの共同体でニックが出会う、エキゾチックな美女ルシアナを演じるのが、ダナイ・ガルシア。その個性的なルックスも納得、父親には中国とイタリア、母親にはスペインとキューバの血が流れている。1984年、キューバのハバナ生まれで、10歳の頃からさまざまなダンスを習い、バレエ、サルサ、メレンゲ、フラメンコなどを習得。17歳からハバナの演劇に出演してすぐに渡米。マリサ・トメイ主演のサスペンス映画『Danika(原題)』(06)でハリウッドデビューした。
TVドラマファンには人気TV『プリズン・ブレイク』のシーズン3から登場したソフィア・ルーゴ役でもお馴染み。ちなみに、この番組でソフィアの恋人、SONA刑務所の囚人ジェームズ・ウィスラー役を演じた英国俳優クリス・ヴァンスと一時交際していたが、今はシングルとのこと。
本作と並行してインディ映画『Spiked(原題)』などに出演しつつ、2017年には主演作『Avenge the Crows(原題)』でプロデュース業にも進出。19年の短編映画『The Cure(原題)』では、出演せずに共同監督と脚本、製作を手掛けている。
そんな彼女はウェブサイト「CineMovie」のインタビューで、ルシアナについてこう分析している。
「ルシアナはメキシコ女性で、自分が気にかけているものは何か、自分はどこにいるのかが分かってる。彼女の人種も肌もまったく恥じていない。むしろ誇りに思ってる。ニックが彼女に恋した理由にひとつは、そこにあると思う。2人の関係は”ああ、あなたは私を愛してるのね”じゃなくて、”なんてこと、私はあなたを愛してる、だからここにいる”という関係よ」
Lorenzo James Henrie as Chris – Fear The Walking Dead _ Season 1, Episode 2 – Photo Credit: Justina Mintz/AMC
ニックとアリシアの母親であるマディソンのパートナー、トラヴィスの息子クリスを演じるのは、ロレンツォ・ジェームズ・ヘンリー。1993年6月29日、米アリゾナ州生まれで、本年27歳になる。父はプロデューサ、母はタレント・マネージャー、4歳年上の兄も俳優でTV『ママと恋に落ちるまで』のデヴィッド・ヘンリーだ。
本作の後はTV『エージェント・オブ・シールド』のシーズン4に、ゴーストライダーことロビー・レイエスの弟ゲイブ役で出演。昨年全米公開されたサスペンス映画『Only Mine(原題)』に出演、新作コメディ映画『This Is the Year(原題)』も撮影済みだ。
そして彼は、コミックの愛読者で、TV『ウォーキング・デッド』の大ファン。しかもゾンビ映画のファンでもある。なので、本作に出演する時は、本家シリーズのファンがこのシリーズを気に入ってくれるかどうか心配だったとのこと。
The hollywood news.comのインタビューでは、クリスの役をこのように語っている。
「僕のキャラクターにとって一番大切なのは、父親トラヴィスとの関係だ。この16歳の少年にとって、父親はヒーローのようなものなのに、彼はある意味で彼との約束を破るんだ。それが彼の心理に大きなダメージを与えるんだと思う」
Frank Dillane as Nick – Fear the Walking Dead _ Season 1, Episode 1 – Photo Credit: Justin Lubin/AMC
最初はドラッグ中毒だが、世界の変貌とともにたくましくなっていくニックを演じるのは、英国男優フランク・ディレイン。1991年4月21日生まれの29歳。彼にはちょっとびっくりな経歴が。なんと、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(08)で、後にヴォルデモート卿になる16歳のトム・リドルを演じていたのだ!
両親も俳優で、父スティーヴン・ディレインは人気TVシリーズ『ゲーム・オブ・スローンズ』のスタニス・バラシオン役でおなじみ。母ナオミ・ウィスナーも女優で劇団を主宰。6歳でマイケル・ウィンターボトム監督の『ウェルカム・トゥ・サラエボ』(97)で映画デビューし、その後、英国王立演劇学校、通称RADAを卒業。本作以前にもクリス・ヘムズワース主演の『白鯨との戦い』(15)などに出演。今後もエズラ・ミラーと共演する『Dali Land(原題)』など話題作が控えている。
シーズン1時代には、TV局AMCのインタビューで、ニック役についてこう語っている。
「ニックはドラッグ中毒だけど、実はドラッグはどうでもよくて、彼にとって重要なのは何かに中毒していることなんだ。中毒になれば、人生の問題は1つだけになって、他のことはどうでもよくなる。彼はいつも生と死にだけ、意識を集中しているんだよ」
[c]2015ー2018 AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved.
本作前にも人気TVシリーズに出演していて、TV『ティーン・ウルフ』(12~14)の父親に虐待されるアイザック役や、TV『オリジナルズ』(14~15)のヴァンパイア、ケイレブ役も人気。本作の後も歴史ドラマTV『メディチ』シーズン2(18~19)からロレンツォ・ディ・メディチ役に出演。本年配信開始のNetflixのアーサー王伝説もの『Cursed(原題)』(20)にも出演している。
演技歴は長く、9歳から英ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーで演じ、18歳からロンドン・アカデミー・オブ・ミュージック・アンド・ドラマティック・アート 、通称LAMDAで学んだ。
いくつかのTVシリーズを経て出演した本作だが、トロイ役はお気に入りとのこと。TV局AMCのインタビューでこのように語っている。
「僕は複雑で難しいキャラクターを演じることに興味があるんだ。トロイの行動の裏には、たくさんの理由が絡み合っている。それに僕はいつも、どうしようもない人物を演じるのが好きなんだ。だから、トロイ役が大好きなんだよ」
[c]2015ー2018 AMC Film Holdings LLC. All Rights Reserved.
というのも彼が演じてきたのは、TV『デクスター~警察官は殺人鬼』シーズン8(13)のザック役や、TV『ザ・フォロイング』のシーズン2&3(14-15)のマーク役、リメイク版TV『ダイナスティ』シーズン2で登場した(19~21)のアダム・キャリントン役など、なぜか殺人犯役が多いのだ。一見そうは見えないのに、という殺人犯なのだが。彼は2006年からずっとロサンゼルスではなくニューヨークに住み、NYで舞台の仕事を続けている。2016年にはTV「ザ・フォロイング」で共演したヴェロリー・カリーと結婚。実生活は、本作のジェイクのように堅実派なのかも? 彼はTV局AMCのインタビューで、ジェイク役をこのように語っている。
「ジェイクには、信じるものが必要なんだ。だから、牧場を安全な場所だと信じる。もし世界に終わりが来るとしても、そして実際に来るわけだけど、牧場は安全だと。でも彼も、世界の終わりでは、人間は文明を捨てて、動物的な本能で生きるようになると気づいている。安全な場所が崩壊しつつあることを知っているんだ」
こんな多彩な俳優たちが集まって生み出されているのが『フィアー・ザ・ウォーキング・デッド』。個性的な登場人物たちがぶつかり合う、群像ドラマの魅力がたっぷり詰まっているのも納得。「あのキャラを演じていた人が、今回はこんな役を?! 」という視点から見てみるのも面白い。
文/平沢薫
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